横浜市戸塚区 踊場駅近く とりがおか歯科 Dr.Toridocです!
「2016年8月31日の新聞でも話題になっていますが、厚生労働省の有識者検討会で22の病気がたばこが原因である可能性があると報告書が出ましたね。そこに歯周病も入っているのですね!どう関係があるのか分かりやすくまとめて欲しいな」という質問。今回これをできるだけまとめさせて下さい!
目次
1.厚労省検討会の報告書のまとめ
2.たばこと歯周病との関係
3.対策について
1.厚労省検討会の報告書のまとめ
厚労省の有識者検討会で以下に挙げる病気について、喫煙(たばこ)との関係が確実と判定されました。喫煙者のみならず受動喫煙まで踏み込んだ報告となってます。また、日本人への影響を判定している点でもより身近に感じる報告書となっているようです。
◾︎喫煙(たばこ)との関係が確実とされた病気◾︎
【喫煙者】
▪︎がん
肺、咽頭、喉頭、鼻腔 副鼻腔、食道、胃 肝臓、膵臓、膀胱、子宮頸
▪︎歯周病
▪︎心筋梗塞
▪︎脳卒中
▪︎腹部大動脈瘤
▪︎慢性閉塞性肺疾患
▪︎結核(死亡)
▪︎2型糖尿病
【受動喫煙】
▪︎心筋梗塞
▪︎脳卒中
▪︎肺癌
▪︎乳幼児突然死症候群
▪︎喘息
国内外の喫煙と健康に関して分析をしている論文を約1600件解析し、喫煙との関係を病気ごとに4段階で判定したそうです。なかでも歯周病を含むがんや心筋梗塞、2型糖尿病などの病気との関係については最高のランクで、確実と評価されました。
上記には記載されておりませんが、次のランクである可能性がある病気としては、認知症、関節リウマチなどもあがってます。
受動喫煙については乳幼児突然死症候群、喘息、肺がんも確実とされ、可能性があるのは乳がんなどの疾患も挙がっているようです。
2.たばこと歯周病との関係
たばこには4000もの化学物質とニコチンなどの200もの有害物質があり、そのうち70種類は発がん性を有するとも言われております。たばこのお口の中への影響についてですが、以下のことが挙げられます。
▪︎口腔がん
▪︎歯周病
▪︎歯肉へのメラニン色素沈着
▪︎口臭
など
口腔がんは先の報告書には確実とまでは挙げられておりませんが、お口の中という特性上、たばこの影響は避けられません。扁平上皮癌などの誘因となっていると考えます。
がんについては、なかなか治らない口内炎のような症状から本来赤い粘膜色なのに白くなっているだとか、気になる症状があれば、歯科医師に相談すべきだと考えます。
本題の歯周病についてですが、端的に言うとたばこの煙が歯周組織に悪い影響を与えます。
たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、また、一酸化窒素は組織への酸素の供給を妨げてしまいます。そのため、免疫を担当する細胞などがうまく働くことができず、歯周病菌に対しても抵抗出来ず、いつのまにか歯周病が進んでいきます。
この「いつのまにか」が重要で、たばこを吸っている方の多くはご自身が歯周病になっていることに気づいておりません。
ニコチンの作用で血管収縮が起こると出血しづらくなります。歯肉自体もその刺激で線維化してしまい硬く出血しづらくなります。喫煙していない方は、歯周病が進行すれば歯ブラシ時の出血も認めるとこも多いので、まずいと思って歯科医院を受診されるケースが多いのですが、喫煙者の方はそういった症状も少ないので、受診が遅れ歯の動揺や痛みを認めるころには手遅れというケースもあります。
喫煙されている方に、そのまま歯科治療を行ったとしても、治癒も悪いことが多いのも事実です。治療に反応しにくいのは、おそらく歯肉の血流に関わっています。血液は身体に栄養や酸素も送っておりますが、免疫など傷や炎症の治癒にも大きく関わっております。
また、たばこに含まれるタールにより歯肉にメラニン色素沈着を起こすことも言われており、これは受動喫煙のケースで、お子様に認めることもしばしばあります。
喫煙者もそうですが、受動喫煙者についても歯周病リスクがあります。これは、大人だけでなく、子供にも歯周病を起こすことを示唆しております。
3.対策について
喫煙がよろしくないことは百も承知だと思いますが、どうしたらよいのか。
喫煙者本人の問題だけであれば、禁煙外来に通って頂き、禁煙していくことが対策となるでしょう。
喫煙で失ったリスクは、禁煙によってリスク回避できることもあります。
とかく歯周病については、完全に禁煙をして頂けると治療によい方向に反応してくれます。見違える程です。
軽いたばこにするという方もいるかも分かりませんがリスクを下げるまでになるかは疑問も残ります。フィルター部にある穴の数でニコチンやタールの量が薄まっている可能性があります。フィルター部分は指や唇で塞がれる可能性も高いため、穴が塞がれ、空気と薄まらずかなりの量の有毒物質が入る可能性があるからです。
今回の報告で、受動喫煙についてかなりクローズアップされており、やはり読み流すことはできない文言として乳幼児突然死症候群もたばこと関連があるということです。未来に羽ばたくはずの子どもが、これによって亡くなることは悲しいことです。
現在、公共の場所のすべてで屋内全面禁煙としている世界の国は2014年時点で49カ国あるそうです。屋内の100%禁煙化を目指すべきとの提言もあります。
今回、科学的にたばこと癌などの複数の病気との関連を調べることができており、喫煙者のみならず、副流煙による受動喫煙についても提言していることで、たばこと健康を考えるきっかけになればと思います。
戸塚の歯科 踊場駅近く とりがおか歯科 Dr.Toridocでした。
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